1泊2日でトリノ観光
1泊2日でトリノのおすすめスポットを周る
7月の終わりに、トリノへ行ってきました。
とても良かったトリノの観光名所と、いくつかの豆知識を紹介します。
実際に、私が1泊2日の間に行った順で掲載しています。
観光プランの参考になれば嬉しいです。
参考までに...私はPorta Susa駅のすぐ近くの友人宅に滞在させていただきました。
宿泊場所は、空港、駅への便が良く、かつ市街地へ徒歩圏内のPorta Susa駅かPorta Nuova駅のそばにすると良いでしょう。
カステッロ広場 Piazza Castello
(住所 : Piazza Castello, 10121 Torino)
トリノの観光のスタート地点のおすすめは、歴史的建造物に囲まれたカステッロ広場が最適です。
昔は、王家の出入りに神々しく使われていた広場だったのでしょう。
現在では小さな噴水が点在し、市民や子供たちの憩いの場所となっています。
Porta Susa駅からは徒歩20分ほど、Porta Nuova駅からは徒歩15分ほどです。
マダーマ宮殿 (市立古典美術館) palazzo Madama
(住所 : Piazza Castello, 10122 Torino)
歴史を感じる数々の美術が内蔵されています。
綺麗な中庭や、目の前に広がる有名なカステッロ広場をはじめとするトリノ全体が見渡せる展望台があります。
Monte Dei Cappuccini
(住所 : Piazzale Monte dei Cappuccini, 3, 10131 Torino)
市街地から見て、ポー川の向こう側に凛と立っているのが、モンテ・デイ・カプチーニ教会です。
後期ルネッサンス様式の美しい建物で、カトリック教会です。
無料で入場できます。
伝統カフェ「フィオリオ」Fiorio
(住所 : Via Po, 8, 10124 Torino)
こちらでは、トリノ名物ドリンク「ビチェリン」を楽しめます。
ミルク、ホットチョコレート、エスプレッソの混ざった、コーヒーのような、ココアのような、パフェのような甘い味のドリンクです。
お店によって少し味の異なるこの伝統的な「ビチェリン(Bicerin)」ですが、トリノ在住のイタリア人のおすすめはここ、「フィオリオ」というカフェです。
ここ《Fiorio》は、イタリアの初代首相カミッロ・カヴールが訪れたカフェとしても有名です。
国立映画博物館
英語 : National Museum of Cinema
イタリア語 : Museo Nazionale del Cinema
(住所 : Via Montebello, 20, A, 10124 Torino)
トリノのおすすめ観光スポットといえば、必ずと言って良いほど挙げられるのが、この国立映画博物館です。
国立映画博物館のサイトはこちら
自分が映画の主人公になったかのように映画のセットを使えるブースがあったり、ホラー映画を上映している場所があったり、日本発祥の絵文字の文化を紹介している場所があったり、大人から子供まで楽しめる博物館です。
館内がとても広く、1日で見切れないくらいたくさんの展示があります。
途中の大きなお部屋にたくさんソファのような椅子が並んでいます。
そこで休憩可能です。
映画のワンシーンのような写真を撮れる場所もあります。
インスタ映えする写真を撮りたい方にもお勧めです。
モーレ・アントネッリアーナ(展望台)
Mole Antonelliana
国立映画博物館の上は、細く天へ高く伸びる塔が伸びています。
そこへはエレベーターで上ることができます。
トリノの町全体が見渡せる場所になっています。
通常エレベーターは人気で混雑しているため、長い待ち時間を想定しておくと良いでしょう。
混んでいる日はとくに、長い時間待つことになるので、あまり時間がない場合には省いても良いかもしれません……。
長い時間待ってでも、大切な人と塔のてっぺんで写真を撮りたい人や、展望からの景色をどうしても見たい人にとっては、きっととても素敵な思い出になるでしょう。
美味しすぎるピザ屋さん Pizzeria Ⅳ Marzo
(住所 : via Ⅳ Marzo, 8B, 10122 Torino)
観光客が主に集まる大きなレストラン街に位置しています。
私は少し体が小さめからなのでしょうか、ピザ丸々1枚では少し大きすぎるように感じました。
女子3人旅であれば、3人で2枚くらいのオーダーをお勧めします。
庶民的な価格で、とても美味しい本場のピザを味わえます。
個人的には、チーズが入っているピザが美味しかったです。
チーズがふわっふわで驚きました。
Corner Caffè
(住所 : Corso Vittorio Emanuele II, 100, 10121 Torino)
朝食に、美味しいクロワッサンとコーヒーを頂きました。
現地の方々にとても愛されているカフェだそうです。
ケーキやパンひとつひとつがとても可愛かったです。
近現代の市民美術館
英語 : Civic Gallery of Modern and Contemporary Art
イタリア語 : Galleria Civica d'Arte Moderrna e Contemporanea (通称GAM)
(住所 : Via Magenta, 31, 10128 Torino)
木が横倒しになっている作品がドーンと入り口あるのが目印の現代美術館です。
いわゆる現代美術館ですが、アバンギャルドの作品の中にもどことなくイタリアらしい作品の雰囲気を感じます。
意味の分からない作品から、何か心に残る作品がたくさん展示され、今後の芸術文化をどのような形に変えていくのか、そして残していくのか、考えさせられる時間になります。
芸術分野に興味を持つ方にはお勧めできるスポットです。
いくつか展示作品を紹介します。
Lucio Fontana
元々彫刻家だった彼は、ペイントの代わりにキャンバスに穴を開け、絵画を立体化しました。
「立体感のある絵画」というコンセプトは、彼が確立したそうです。
いますね、こういう方。
筆者目線、確実に思い当たります。
緑に埋め尽くされた自転車。
本当にドイツの図書館の自転車置場で実際にこんな自転車を見たことがあったので、デジャブでした。
トリノ国際空港から市街地へ
(Malpensa airport)からは「セダム」バスがお勧めです。
イタリア人の友人が教えてくれて知ったのですが、空港からは電車やタクシーで来るよりも、《SEDAM》バスと呼ばれる水色や黄緑色のバスなどで市街地へ出るのがお勧めです。
金銭的にも、時間的にも節約でき、30分~50分ほどで市街地に出ることができます。
市内中央のPorta Susa や Porta Nuovaまで6,50ユーロで行くことができます。
タイムテーブルはこちらです。(2枚目のPDFが、空港からの時刻表になっています。)
http://www.sadem.it/media/6355/000268.pdf
空港内にチケットを買える券売機があるので、そこで購入してください。
バス内で購入することもできますが、1ユーロ高くなります。
(2019年8月現在)
トリノへはスニーカーで行くべき
石畳が続き、観光スポット内もたくさん歩き回ることになるので、必ず快適なスニーカーを持参することをお勧めします。
ドイツからのフリーSIMが使えた件
私自身はドイツ在住で、現地のプリペイドSIM「O2」を使用していますが、基本的にヨーロッパ各地で問題なく電波があり、料金もドイツ国内とさほど変化なく、通常通りに機能していました。
インターネット、電話、SMSすべて問題なく使えました。
日本からいらっしゃる場合には、グローバルwifiを持っていらっしゃる方法が1番簡単で手っ取り早く、金銭的にも節約できるかと思います。
他にも、iphoneを使用なさっている方はSIMロックを解除して、日本の海外専用SIMを購入するか、イタリア現地でプリペイドSIMを買うのが格安ですが、何かと多くの手間がかかることと思います。
思い出
素敵な時間を過ごさせてくれたトリノの友人に感謝です。
彼女とは、5年ほど前にロンドンの語学学校にて知り合いました。
お互い英語を勉強している身でした。
彼女はこの5年の間、エラスムス(奨学金の交換留学プログラム)を使ってスペインで文学系の修士課程を終え、教師になっていました。
こうやってずっと連絡を取り合って、お互いの成長をお互い見守り合い、一緒に成長していける友人を持つことができたことに感謝します。
余談ですが、Porta Nuova駅にはアップライトピアノが設置されており、だいぶ壊れてはいますが(例えばペダルは全く機能しません。)自由に弾くことができます。
ちなみに、私は友人のリクエストで、10年ぶり(?)くらいにトルコ行進曲を弾きました。
また会いに行けるように、日々頑張ろうと思います。
ドイツ【バス、ボディ&歯磨き粉】
ドイツのお風呂といえば、基本的にはシャワー。
バスタブがあっても、お湯を張れそうな綺麗なバスタブを私はまだ見たことがありません…。
学生寮やホテルには、シャワールームのみでバスタブがないこともしばしば。
そんな異なった環境でやはり最初に当たる壁は、自分に合ったシャンプーが見つからなくて髪質がゴワゴワになってしまうこと。
今回は私自身がドイツでようやく出会うことのできた、「これはいい!」と思えるトイレタリーを紹介します。
dmやRossmannで見つけられるプチプラケア
シャンプー
一番苦労したのはシャンプーです。
これは、同じ日本人であっても、髪に合う合わないがあって、私のお勧めが閲覧している方全に当てはまるとは限りません。
さて、何度も失敗を繰り返しながらやっと見つけたシャンプーがこちら。
Schwarzkopf (シュヴァルツコプフ)のGLISS KUR
他の方のブログでシュヴァルツコプフが良いと見つけたので、試してみたことがきっかけです。
ピンクのLIQUID SILK (1,75ユーロ)を使っています。
ドイツ人にも人気なようで、いつもシュヴァルツコプフの様々な種類の中でも断トツで売れ行きが良いのが一目でわかります。
OGXのMoroccan Argan Oil
私の同居人の女の子は、OGXのMoroccan Argan Oil, 385 mlを使っているようです。
彼女の髪はとても綺麗なので、合う人には合うのかと思います。
ほかの友人は、GUHLや、JOHN FRIEDAが良いと言っていました。
GUHL
JOHN FRIEDA
トリートメント
Schwarzkopf Gliss Kur Total Repair Hot Therapy
私の髪は傷みやすいので、Schwarzkopf Gliss Kur Total Repair Hot Therapyというトリートメントを毎日少しずつ使っています。
小さい使い捨てチューブに入っているので、3,4回しか使えませんが、そのお陰か乾燥の激しい時期でも枝毛ができなくなりました。
シャワーを浴びるときに頭から洗い、トリートメントを髪に含ませた状態で顔や体を洗えばちょうど3分ほどかかるので、面倒にも思わず毎日トリートメントできています。
ヘアミスト
Schwarzkopf GLISS KUR HAIR REPAIR LIQUID SILK
シャンプーと同じSchwarzkopfのヘアトリートメントスプレーを使っています。
傷んだ髪を補強してくれる作用を持っています。
ほんのりパラの香りを足したせっけんのような匂いです。
RITUALS... というブランドの THE RITUAL OF AYURVEDA
これは、ボディミスト兼ヘアミストです。
名前を直訳すると「アーユルヴェーダの儀式」(アーユルヴェーダとは、インドの古代の医術のこと)です。
クリスマスの時に試供品をちょうど配っており、RITUALS...の赤のハンドクリームを頂きました。
その香りの良いこと、良いこと。
香水よりも気に入りました。
このヘアミストも、とても素敵な香りがします。
他にも様々な種類があるので、ぜひ店頭で試してみてほしいです。
ちなみに私はKaufhofで見つけました。
ボディソープ
激安のdusch das
普段はRossmannで1,25ユーロとすでに安いですが、セールの時期にはなんと0,77ユーロでした。
いつも売れているようで品数の少ないピンクを買ってみたことがありますが、肌になんの問題もなく、香りも良かったです。
Kneipp (クナイプ)
私が最終的に落ち着いてリピートしているのは、KneippのDUSCHBALSAMです。
こちらのブランドは、日本でも主に自然素材のバスソルトで有名です。
「Mandelblüten Hautzart, Spezialpflege für trockene & sensible Haut」書かれていますが、「アーモンドの花、乾燥した敏感肌のための特別なケア」という意味です。
Rossmann 3,99ユーロ。セールの時は2,69ユーロです。
日本にいたころ、特に足やお腹の肌が乾燥し、「粉ふき肌」といわれる状態が続いて酷かったのですが、ドイツでこのボディソープを使い始めてから完全に治りました。
それまでは肌の乾燥からくる痒みが酷く、それが余計「粉吹き肌」を助長していたのですが、今は粉を吹いてしまうことも、痒みが起きることもありません。
Kneipp、すごい。
ボディクリーム
背中のニキビに悩まされる最初の在独2年間。
どうにか自力で治したいと色々検索した結果、こちらのボディクリームが良いとの情報をいくつか見つけ、試してみました。
sebaned
BODY-MILK 2,95 200ml
「シアバターを使った豊富なケア、敏感肌用、肌の水分を著しく増やします、肌の弾力性に作用します」と書かれています。
Lotion 3,15 200ml
「カモミールエキス配合保湿剤、敏感肌用、すぐに肌に吸収されます」と書かれています。
両方同じくらい私の肌に合っていて使い心地がとても良いです。
結果的に背中のニキビはだんだんとなくなり、今は完全に治りました。
そのままずっとリピートしています。
プチプラですが、非常に優秀なボディクリームです。
Sebamedは、薬用スキンケアの主要ブランドの1つです。
sebamedの製品は、健康な肌のpH値、5.5を保てるように考えられています。
肌を清潔にし栄養を与える高品質の有効成分が含まれています。
敏感で問題のある肌に対して高いスキンケア能力を発揮してくれます。
そのほか、シャンプーやコンディショナー、スキンケアなど、いろいろな種類を簡単に見つけることができます。
最初は自分に合うかどうか確かめるため、なるべく小さいボトルを購入することをお勧めします。
dmやRossmann, Müller旅行用コーナーに、50ml~100mlの旅行用の小さいパッケージを見つけられることがほとんどです。
その他 良質なバス用品を見つけられるお店
THE BODY SHOP (ザ・ボディショップ)
日本でも人気のザ・ボディショップはドイツにも沢山の店舗を構えています。
一時帰国のたびに私の母から「買ってきてほしい」とお願いされるのはこちらの3つです。
Spa of the World™ Ethiopian Green Coffee Cream
これは日本には売っていないタイプのボディクリームです。
たまたま試供品をもらって試したところ、私の母の肌が劇的に変化し、そのまま彼女のお気に入りになりました。
このボディクリームには、手作業で収穫された貴重なエチオピアのオーガニックグリーンコーヒーが含まれています。
ビロードのような柔らかなテクスチャーで、肌にすぐ溶け込みます。
100%ベジタリアン商品です。
THE BODY SHOP 日本でも買えるシャワージェル
こちらは日本のオンラインショップからも購入可能です。
お試し用の小さいボトル↓
THE BODY SHOP ザ・ボディショップ シャワージェル ブリティッシュローズ 60ml【正規品】
- 出版社/メーカー: THE BODY SHOP(ザ・ボディショップ)
- メディア: ヘルスケア&ケア用品
- この商品を含むブログを見る
大きいボトル↓
THE BODY SHOP ザ・ボディショップ シャワージェル フジグリーンティ 250ml【正規品】
- 出版社/メーカー: THE BODY SHOP(ザ・ボディショップ)
- メディア: その他
- この商品を含むブログを見る
TK Maxx
オーガニック系の商品をたくさん揃えています。
普段よりも割引価格で買うことができる、アウトレットのようなお店です。
”big labels small price” をうたっていて、大きなブランドの物を最大60%オフで買える、というお店です。
※ただ、置いてあるものがランダムなので、リピートしたくても次に同じものが見つけられるかどうかはわかりません。
L'OCCITANE (ロクシタン)
cherry blossom shower gel (桜のシャワージェル)
この種類は日本で発売されていないようです。
お誕生日で友人からいただき使ったところ、それはそれは良い香りでした。
使った後のバスルームからも自分からも、しばらく良い香りがするので、リラックス効果があります。
旅行用の小さいボトル(75ml)は5,50ユーロ、
大きいボトル(250ml)は15,00ユーロです。
KaufhofやKarstadtのオーガニックブランドコーナー
この2つの大型デパートは、日本でいうところの高島屋や三越伊勢丹といったところでしょう。
化粧品コーナーがある階 (だいたいErdgeschoss、日本でいうところの1階)に大手のオーガニックブランドコーナーがたくさん並んでいます。
日本でも有名なWELEDA、
食べても大丈夫なくらいの自然素材を使っているANNEMARIBÖRIND、
プチプラなのに質の良いlavera、
そして上記ヘアミストで紹介した圧倒的に香りのよいRITUALS...などが種類豊富に見つけられます。
お気に入りのホワイトニング歯磨き粉
お茶が大好きな私の悩みは、歯がお茶に染まってしまうこと。
日本にいるときから高評価のセルフホワイトニングを試してみたものの、どうしても効果が得られない…。
しかしドイツへ来てから、ついに見つけました!
blend-a-med 3D WITE LUXI GLAMOROUS WHITE
2,99ユーロ セール時 1,99ユーロ
こちらは、dmやRossmannなら必ず置いてある、どこにでもあるホワイトニング歯磨き粉。
初めてドイツで歯磨き粉を選んでいたときに、私の近くにいたドイツ人たちが次々と迷わずに取って行ったのを見て、「これが人気なのか…?」と半信半疑で買ってみたのが始まりです。
3年以上リピートしています。
ちなみに、同ブランドの歯磨き粉は3種類ほどありますが、このグラマラス・ホワイトが一番効果に期待できます。
なんと言ってもありがたいのが、この安さ。
セールの時は1,99ユーロという破格の安さなので、まとめ買いをしています。
あれだけタバコを吸っても、コーヒーを毎日飲んでも、ドイツ人たちの歯が綺麗なのは歯磨き粉の影響なのかもしれません。
髪や肌、歯は人生でずっとケアし続けて、大切にしていくものです。
私自身、ドイツに来て慣れない環境や言葉の中、シャンプーまで自分の髪に合わなくて自暴自棄になりかけていたことが、まだ昨日のことのようです。
何か読んでくださった方の参考になっていたら幸いです。
他にも良いシャンプーを見つけたよ、このボディークリームが良かったよ、という方がいらっしゃれば、ぜひ教えてください :)
ドイツで美容・美白対策!
今回は、私自身がドイツでいろいろなスキンケアアイテムを試して、これは良いと思えた商品を紹介します。
ドイツへ来てから最初の1年は、肌荒れを起こしたり、かゆくて仕方なかったりと失敗続きでした。
そんな時に、ドイツに滞在していらっしゃる方々のブログを拝見して、たくさん参考にさせていただいた経験があります。
このブログもどなたかの参考になることができたら幸いです。
私の肌は、敏感肌の傾向があります。
よってこの記事は敏感肌傾向の方へのお勧めとなります。
スキンケアアイテム
化粧落とし
ドイツを始めとするヨーロッパ諸国には、「洗顔せっけん」という概念がありません。
日本と同じような洗顔をすると、硬水の影響で肌に良くないからです。
それに代替するものは、「拭き取り化粧水」兼「拭き取りクレンジング」(ドイツ語でGesichtwasser) です。
日本人である私の敏感肌に合っている物は以下の2つです。
言わずと知れたBIODERMA (ビオデルマ)
なかなか自分に合った拭き取り化粧水が見つからず、ドイツ在住の日本の方々はどうしているのだろうとネットで探しました。
沢山の方がBIODERMAを使っていらっしゃることがわかりました。
多くのモデルさんたちも愛用している、フランス生まれの拭き取り化粧水です。
私の街では主にMüllerで売っています。
少し見つけにくい場所に置いてあり15,99ユーロと少し割高ですが…。
ベルリンなどの大都市ではApothekeを始めとする至る場所で見つけやすく、非常にお買い得品も見つけやすいです。
GARNIER SKIN ACTIVE 洗顔ウォーター 普通・敏感肌用
英語名:Micelles Cleansing Water & Facial Cleanser for Normal and Sensitive Skin
ドイツ語名:Mizellen Reinigungswasser Normale & empfindliche Haut
こちらは、ドイツ人にも外国人にも大人気のプチプラ「拭き取り化粧水」です。
私の周りの友人達も、これを使っている人が多いです。
dmやRossmann, Müller等のトラベルコーナーに100mlまたは125mlのボトルがあるので、まずはそれで自分の肌に合うか試してみると良いと思います。
ちなみに、他にも種類があり、(下の写真左から)黄色はウォータープルーフ、全体に青みがかった色は脂っぽく吹き出物が多い傾向の肌、白に紫の色はウォータープルーフ(主に落としにくしっかりしたアイメイクを落とす用)、青はとても敏感肌な人へのクレンジング(優しく洗えて穏やかな肌に)、緑は混合・敏感肌に、と分けられています。
私は主に旅行の際、100mlのピンクを持ち歩いています。
化粧水
日本でも人気のAvène Thermalwasser (アヴェンヌウォーター)
世界各国で人気を誇るアヴェンヌウォーターはお手頃で肌を柔らかくしてくれます。
こちらもMüllerで見つけました。
しかし私個人的にはアヴェンヌウォーターだけでは乾燥が酷かったので、その後保湿をしっかりしてくれる美容液かクリーム、またはフェイスパックが必須です。
無印 化粧水・敏感肌用 高保湿タイプ
結局、最終的に落ち着いたのはベルリンの無印で見つけた化粧水です。
ネットの通販でも取り寄せすることができます。
ドイツではやはり少し割高なので、日本から化粧水を持って来る方が節約できます。
こちらも愛用しています。
ドイツの無印のオンラインショップはこちらからご覧ください。
美白対策 "VITAMIN C SERUM" (ビタミンC美容液)
ヨーロッパには美白対策がない、という多くの見解がありますが、近年美白効果のあるビタミンCの含まれたコスメが増えたように思います。
これはドイツのオーガニックコスメDAYTOX社の、「輝かしい肌色のための美容液」です。
この美容液には10%の純粋なビタミンCが含まれているため、「肌のトーンを明るくしてくれる、また、小じわを減らし、若々しく新鮮で輝く肌を提供します。」と公式ホームページに書かれています。
dmで試供品が置かれていて使ってみたのですが、とてもしっとりとしたテクスチャーに一目惚れして購入しました。
完全にみかんの香りがします。
クリーム
DAILY HYDRATION (50ml)
こちらもオーガニックBIOコスメブランド、DAYTOX社のクリーム。
使い心地はサラッとしています。
完全に添加物未使用のヴィーガンコスメで、「シリコンフリー・防腐剤未使用・人工着色料なし・パラフィンオイルなし・クルーエルティフリー(動物虐待を避けるため動物実験はしていませんという、動物にも優しい商品の証明)」をうたったクリームです。
デトックス効果があり、シアバター、アマランスオイルが配合されています。
アマランスは食品としても優れており、スーパーフードの一つでもあります。
「グルテンフリー」のため、アレルギー体質の方でも使えます。
アマランスには美肌・アンチエイジング効果もあり、本来少量で高い栄養価のある食物なので、過剰な使用は逆に肌によくありません。
少量の使用を心がけましょう。
NIVEAのクリーム
本当に乾燥が酷くて、肌がかゆいときにはこれ。
ドイツ発祥、定番のニベアのクリームです。
ちょうど、フィラデルフィアのクリームチーズのようなテクスチャーです。
AUGENCREME (目の周りに塗るクリーム)
こちらは私の母が愛用している、Lavera NATURKOSMETIK (ラヴェラ ナチュラルコスメティック)社の人気アイクリームです。
クマやたるみが改善できるそうです。
青い方は、100%の天然化粧品で、アンチエイジングに効果があります。
目の周りは特に繊細で傷つきやすいのですが、優しく潤いを与えてくれます。
Q10(アンチエイジング効果)成分が配合され、オーガニックのゼニアオイとシアバターが使用されていると書かれていました。
ゼニアオイはたくましい雑草の花で、肌を乾燥から守り、炎症を押さえてくれる効果や、その色素の赤ポリフェノールが活性酸素を抑制し、酸化による肌細胞のダメージを防いでくれます。
朝と晩、目の周りに優しくなでるように塗ると効果的です。
ピンクの方は、疲労、アイシャドウによる着色、しわに対して即効性があります。
真珠抽出物やヒアルロン酸、オーガニックカフェインなどの高品質のアンチエイジング成分が肌を滑らかにし、目の周りを明るくしてくれます。
フェイスパック乾燥対策
GARNIER おすすめフェイスパック
肌が疲れた日に使っているマスクはピンク、主にとても乾燥した冬場に使っているのが水色のマスクです。
太鼓判を押すことができるドイツの大好きなフェイスパックです☻
最強のニキビ対策 「泥マスク」
いたる所で見つけられる、このTotes Meer Schlamm MASKE (死海の泥マスク)は、肌をワントーン明るくし、毛穴汚れやニキビへのピーリングに絶大な効果があります。
塗っている間はスーッとして少々刺激を感じますが、このマスクをした後は肌がスベスベになります。
ただ、きちんとコットンなどで拭き取ってから洗い流すことをお勧めします。
泥なので、洗面所の水が流れなくなってしまう恐れがあるからです。
何か参考になるコスメは見つかりましたか?
初めて来たときは、なかなか自分に合ったスキンケア商品が見つけられなかったので、最初は日本から自分のお気に入りの物を持って来た方が良いでしょう。
dmやRossmann, Müllerにはトラベルグッズのコーナーがあるので、試供品として小さいものを買ってまず試してみることをお勧めします。
デパコス系やブランド系は、各ブランド店、Kaufhof、Karstadt、化粧品専門店、Müller等ですぐに見つけられるので、今回は見つけることに少し苦労した優秀なプチプラのスキンケア商品を紹介してみました。
ドイツ旅行・留学 おすすめの持ち物
ドイツへの旅行や短期滞在、または留学などの長期滞在で何を持って行ったら良いのだろうと悩む方もいらっしゃるかと思います。
今回は、筆者自身がドイツへ来たときに役に立ったもの、必要だと思った物を紹介します。
1.必ず必要なもの
・パスポート
・長期滞在の人はビザ、またはビザを取得するための書類
・持っている人は国際運転免許証
・学生の人は学生証
・国際学生証(ISICカード)
https://www.arukikata.co.jp/isic/
国際学生証を持っていると、主にドイツでは美術館や博物館、コンサートといった文化施設にて学生であることが明確に証明でき、学生料金でチケットを買うことができます。
日本語のみで書かれた学生証を見せて「私は日本の学生です(Ich bin Student(in) in Japan.)」と言えば対応してもらえることもありますが、何かあったときの証明にもなるため持っておく方が良いです。
その他この国際学生証における学生の詳しい特典等は上記サイトをご確認ください。
・自分に合ったスキンケア商品
ドイツはオーガニック大国として知られていますが、私は自分の肌に合った化粧水や化粧落としを見つけるのに苦労しました。
現在は結局ベルリンの無印で買った敏感肌用の化粧水と美容液、たまにランコムの化粧水、Müllerで見つけたBIO DERMAという人気の化粧落としを使っています。
・海外電源変換アダプタ
こちらは世界の様々な電圧に対応した電気機器を使用する際に必要なプラグで、変圧器とは異なります。
近年のiphoneやパソコン用のアダプタはこれに当たりますが、間違ったものを選ぶと故障の原因にも繋がるので、店頭で確認してください。
日本のプラグの付いた機器を使いたい人に必須のアイテムです。
・変圧器
海外用のアダプタとは異なり、海外の高電圧に対応していないドライヤーなどの電気機器を使用するときに使うプラグです。
日本の電圧専用の機器を持って行く場合に不可欠なアイテムです。
・ヘアドライヤー
火を吹かないよう、店員さんに海外対応のドライヤーを聞いて購入することをお勧めします。
ドイツでドライヤーやヘアアイロンをあとで購入することはできますが、来たばかりの人にとって、最初の何日かは見つけることが難しいでしょう。
学生寮やホテルにドライヤーがなかったり壊れていることが多いので(経験上「ドライヤーあり」と書かれていても)、持って行って間違いはありません。
・充電器
自分の必要な電気機器(パソコンやスマホ)の充電器をたまに忘れる方がいらっしゃいますが、右も左も、言葉もわからない国で初めて充電器を探すのは悲劇です。
忘れないようにしましょう。
・電子辞書と充電池
私自身、何万回、いや何億回と電子辞書にはお世話になっています。
ドイツ留学に絶対欠かせないものです。
普通の乾電池は、REWEやdm, Rossmann, 電気屋さん等ですぐに見つけられますが、使用頻度の高い方は充電池を持ってくることをお勧めします。
・薬
アレルギーの薬や持病の薬は必ず持参しましょう。
ドイツで自分に合った薬を最初から見つけることは難しいです。
また、ドイツでは基本的に風邪薬という概念がありません。
万が一お腹を壊したとき、風邪を引いてしまったときに飲める自分に合った薬を持ってくると良いでしょう。
あまりにも喉の痛みが酷いときには、どのApotheke(薬局)でも簡単に入手できるASPIRIN(アスピリン)を服用して、痛みを和らげながら休むことをお勧めします。
これはドイツ人からのアドバイスですが、私もアスピリンと自然治癒力で何度も風邪を治してきました。
・目薬
ドイツは日本より乾燥していることもあり、特にコンタクトレンズを使用している人はドライアイになりやすいです。
ドイツで自分に合った目薬を見つけるのも簡単ではありません。
そこで、日本から防腐剤無しのソフトサンティアを持ってくることをお勧めします。
コンタクトレンズを使用する人にとっては必須と言っても過言ではありません。
日本のドラックストアやAmazon等で購入できます。
一箱4本入りです。
※防腐剤が入っていないため、10日間経ったら新しい目薬を使ってください。
2.持っていたら便利なもの
・NEOカード
こちらは一見クレジットカードに見えるプリペイドカード。
クレジットカードと同じようにお店で支払うことができますが、プリペイド式なので、カードに入っている分しか使えないという厳重の防犯対策ができます。
海外では盗難が非常に多く、私も駅でお財布を盗まれた経験があります。
13歳以上の方が登録でき、安心して持って行けるカードです。
ただ、海外では入金できない、通常のカードでは日本でのお買い物に使えない等の細かい規約があるので、詳しくは上記URLをご覧ください。
・SIMフリーのiphoneとSIMカード
SIMフリーのiphoneはネットでも購入できます。
Amazonでは安く購入できますが、海賊版が多いのでお気をつけて。私も偽iphoneを購入してしまった経験があります。
さて、なぜSIMフリーのiphoneかというと、ドイツの電気屋さんでプリペイドSIMを購入すると、契約なし(2年契約や引き落としといった意味)で電話番号を得ることができます。
私はO2のプリペイドSIMカードを3年使用していますが、月9,99ユーロで2GB使えるプランを使っています。
ご旅行や短期滞在の場合にはドイツの格安プリペイドSIMをお勧めできません。私の住んでいる州は、近年住民登録をしていなければ購入が難しくなりました。
そこで、日本で購入できる海外向けのSIMカードをいくつか紹介しておきます。
日本で海外対応のSIMを購入した方が、安く便利に、ネット環境も良く活用できます。
イギリスSIM Three 30日/データ12GB/通話3000分・他約60地域 データ12GB コミコミパック+YM SIMピンセット(日本語マニュアル付)
- 出版社/メーカー: Thee UK
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
Orange Holiday ヨーロッパ ? プリペイドSIMカード ー 4G通信 8GB 30分 SMS 200通 (8GB)
- 出版社/メーカー: Orange Micro
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
・自分の髪に合ったシャンプー
ドイツに来てからこれも探すことに非常に苦労しました。
髪の長い女性は尚更です。
ドイツで髪に合ったシャンプーが見つかるまで、私は日本の「ミルボン プラーミア ヘアセラムシャンプーM 400ml(レフィル)」を使っていました。
3.おすすめの非常食
夜遅くドイツへ到着する場合、遅延で遅くなってしまう場合、日曜日に到着する場合には、翌朝まで食糧の調達ができません (大きな駅の中、駅近だけは日曜日も開店します)。
また、慣れない環境で風邪を引いてしまった場合に備えて、非常食を持っておくことを強くお勧めします。
筆者自身がいつも持ってきているものは…
・尾西チキンライス
・インスタント味噌汁
・鶏がらスープの素
・コンソメ
・だし
以下参考までに、評判の良いレトルト食品
S&B マンダラビーフマサラカレー
無印良品 素材を生かしたカレー グリーン
エスビー食品
噂の名店 南インド風チキンカレー お店の中辛
無印 イカスミと蟹のビスクのパスタソース
他の日本人たちも、食べるラー油、お米5キロ、納豆菌、納豆、するめ、チキンラーメンなど、それぞれの好きなものを持ってきています。
4.勉強に必要なもの
・文房具
ドイツの文房具は高いです。
・電子書籍 kindle
ドイツでは突然の引っ越しが余儀なくされたり、狭い部屋しか借りられなかったり…とどんな環境におかれるかわかりません。
そこで、文庫本ではなく電子書籍。
持ち物は少なくて済みますが、読書が好きな人、たくさん本を読みたい人、日本語の活字が恋しくなる人にオススメです。
・パソコン関連 (USBも)
・楽譜は必要最低限
私自身、音楽関連のため特殊な分野の話ですが、楽譜をたくさん運ぶと他の荷物を減らさなければならなかったり、腰を痛めてしまったりします。
すぐにレッスンや譜読み、受験で必要にならない限り、あとからご両親や友人に郵送してもらうことをお勧めします。
(ただし、町や税関の担当者、タイミングによっては荷物が届かない場合もあります。そのことについては後ほどブログに書こうと思います。)
電子楽譜iPad ProかGVIDOを持ってきている友人も多いです。
5.持って来ると便利な日用品
・お箸
・しゃもじ
私はドイツへ来てからずっと炊飯器を使わずにお鍋でご飯(ミルヒライス)を炊いています。
日本には色んな種類のしゃもじがありますが、ドイツではなかなか見つけにくく、結局日本から持って来たものをずっと愛用しています。
・カミソリ
ドイツで高い剃刀を買ったものの、皮膚に傷がついてしまったことがあります。
今は日本から持って来た電気シェーバーを使用しています。
ドイツの電池でも問題なく使えています。
・タオル
最初、タオルをどこで購入したらよいのかわからず、街をさまよった記憶があります。
荷物にはなりますが、持って来た方が良いでしょう。
・折り畳み傘
dmやRossmann、H&Mなどで折り畳み傘を見つけることは可能ですが、私は日本の軽い、可愛い折り畳み傘をずっと重宝しています。
(参考までにの話ですが、ドイツで可愛くて軽くて華奢な折り畳み傘はまず見つからないと思った方が良いでしょう。)
6.日本から宅配できないもの
あとから送ってもらおう、と思っても関税のルールによって送れないものがあります。
日本からドイツへ荷物を送る時のアレコレ - NAVER まとめ
ベルリンへは比較的、様々なものが配達できている印象を受けています。(2019年現在)
しかし私の住むザクセン州へは、革製の物、水分の含まれているものは関税で引っかかる印象です。
それも担当者の判断によりけりですが、私自身すでに何度も関税まで荷物を取りに行きました。
以上、大事な持ち物や、持っていたら便利なものを紹介しました。
これが全てではなく、服やドレスなど、それぞれの目的で必要不可欠なものはもちろん、各自でしっかりチェックし忘れないようにしてください!
どなたかの参考になれていたら幸いです。
それでは良い旅を。
Gute Reise☻
アメリカ体験記⑥ さすらい人
さて、ピアノ専攻の私がピアノソロについて明かせなかった理由を、少しここに書き残したい。
正式に申し込む前、まだ事務とのやり取りを進めていた頃、実はこのミュージックフェスティバルのレビューを見つけたことがある。
そこには、こう英語で書かれていた。
「個人的な意見ですが、あなたがピアニストであるならそこはいい場所ではありません。私たちはいい経験をしませんでした。」
この意味に、正直ある意味では納得した。
私はとても葛藤をしたが、自分の信じる道を選んだ、とだけ書いておこう。
時にはただ乗り切ることだけに集中し、ただ静かに時を待つことも大切なのである。
(これは2ヶ月という期間だからこそできることであって、もっと長期的なことへは応用不可能だが。)
しかし結論から言うと、この経験は同時に非常に有り難かった。
私がこの2ヶ月間に仕上げた曲は、シューベルトのさすらい人。
やるせなさ、行き場のない痛み、悲しさ、悔しさ、葛藤……
それでも信念を貫きたい思い……
この曲を創り上げるための材料がここにもあったとも言えるだろう。
人生で初めて、10時間さらった。
6, 7時間という日は当たり前だった。
ネット環境はなかった。
森に囲まれて、ひたすら音楽に向き合い、日頃のモヤモヤした嫌なものや、トラブル、悩みが、遠く小さく思えた。
もはや、考える時間さえ減って、忘れていった。
たまに思い出したように空が晴れるが、昼間はほとんど曇りか雨だった。
積乱雲が通り過ぎると、尾瀬か、草津を思わせる湿地帯になった。
ただひたすら、雨の中、湿気で全員が音程を狂わせながら、ひたすら最低限の生活をし、練習した。
18歳以下の子が1人、リタイアした。
蜂と巨大蜘蛛が部屋に入るたび、誰かが叫んだ—―
不思議と、人間関係のトラブルはなかった。
きっと人間は、最低限の生活の方がストレスも少ないのだろうと思った。
そんな日々の中で、シューベルトがさすらい人を書いた時の心境を考えた。
居場所を見つけたかったんだ。
自分が存在できる場所、癒され、安心できる、休める、幸せなオアシスのような場所。
ハ長調の中にさえ、行き場のない痛みや悲しさ、やるせなさが隠れている。
それでも彼は夢を見る。
自分の思い描いた場所を見つける夢を。
潜水するように練習し続けた私も、同じような心境になりつつあった。
何に辿り着いていいか分からなくて、でも何か美しいものに辿り着きたくて、それがどんな形をして、どんな色なのかも知らないし、どう行ったらいいのかもわからない。
でも、どうしても、その「何か」に辿り着きたい。
きっとそれが、さすらうって意味なのだろう、と。
2ヶ月間の終わりに、200人以上の若い音楽家たちの前で弾いた。
毎週、週3回行われたたくさんのコンサートの中で、1番最後のソロの出番だった。
舞台に出るまでとても緊張した。
震えた。
しかし、弾き始めた途端、震えていることなんてどうでもよくなった。
ただ、自分の演奏に没頭できた。
覚えているのは、2楽章で家族を思い出したこと。
そして、どんなに頑張っても報われない辛さも思い出したこと。
最後のアルペジオを駆け抜けて、なんとか最後のハ長調の主音を弾き終えて立ちあがった時、全員の温かい笑顔とスタンディングオベーションを見て、心底ホッとした。
心の底からありがとうと思って、お辞儀をした。
ちなみにそのコンサートピアノは、ラフマニノフが昔使っていたものだった。
たくさんの人がハグをしに来てくれた。
1人1人、それぞれの言葉で感想をくれた。
私の帰り際にも「ハルカのさすらい人を聴いてさすらい人がとても好きになったの! だからさっきアップルミュージックにダウンロードしたの!」
と言いに来てくれた小さい子がいた。
結果、オーライということで、ここでのピアノソロの経験を書くのはこのくらいにしておこう。
アメリカ体験記 〜完〜
アメリカ体験記⑤ 本番
ほとんど合わせの時間は取れなかったが、1度マスタークラスでジェリーとラフマニノフ チェロソナタを演奏させていただける機会を得た。
彼と一緒に弾けたことは何よりに良い経験になった。
とにかく弾くことが楽しかった。
ドヴォルザークの五重奏も、コンサートに向けて毎日の集中的なリハーサルとレッスンが大詰めに入った。
それと共に、衝突することも増えた。
湿気った練習室の条件も相まって、音程やバランス、音の作り方、メロディーの浮き立て方……真剣さゆえに衝突するのだ。
1楽章の合わせだけでも、なかなか終わらない。
音楽ってこういう風に組み立てていくのか、という勉強になる。
中でも本当に勉強になったのは、
ピアノのアン・シャイン先生、
ヴァイオリンのアール・カーリス先生、
ヴィオラのスティーヴン・テネンボン先生、
チェロのユリア・リヒテン先生、
ヴァイオリンのアイヴァン・チャン先生らの
特別レッスンである。
日本で知られているか分からないが、いずれもカーティスやジュリアード、アメリカ各地、また香港で活躍されている、素晴らしい先生方である。
特にアン・シャイン先生のレッスンは、私が現在師事しているドイツの先生のおっしゃることに似ていて、どことなく親近感がわいた。
「ドヴォルザークは、シューベルトを尊敬していたの。
だから、エネルギッシュなように思えて、アグレッシブな部分は1つもないのよ」
とチェロのユリア・リヒテン先生が言っていたこの言葉が印象強かった。
どこか東洋を思わせる、そのいい意味で泥くさくジプシー的な響きは、まさしく東洋からきた香港の3人組が見事に表現していた。
とある日は、第2ヴァイオリンのニーナの部屋に全員で集合して、一緒にプレスラーと自分たちの音源を聴き比べて意見を言い合った。
そしてこの自然に囲まれた環境が、大いに演奏に役立った。
ドヴォルザーク自身が自然愛好家だったからだ。
3楽章や4楽章の最後には、完璧なまでに満天の星空が描かれている。
まるで映像のない映画音楽だ。
ちょうどその場面に取り組んでいた私たちは、7月の終わり、天の川を何日間も見ることができた。
時には、真っ赤な流星を見た日もあった。
はしゃぐ私たちの間を、無数の蛍が飛んでいた。
満天の星を、そっくりそのまま地面に下ろしたみたいだと思った。
天の川に囲まれている気分だった。
まるでそれは、ディズニーや新海誠の映画の世界である。
道を照らすほどでもない、すぐ消えてしまう小さな小さな蛍の光。
そんな小さな光を、本当に美しいと思った――
こうやって大好きな室内楽に真剣に取り組めたことは、一生の宝物である。
本番は、7月終わりの夏真っ盛りの中、ステージの真ん中では寒さに鳥肌が立っていた。
短期間で仕上げねばならなかったわりには、とても濃い準備期間を経た、大切な本番となった。
そして私のソロ、シューベルトの「さすらい人」も本番を迎える。
つづく
アメリカ体験記④ 青春
良いことばかりではない。
一応、ネットなので当り障りのないことをまず書くが、突然の請求もその1つだった。
奨学金を出すからお金を払わなくて良い、と聞かされていたものの、ブランケット、シーツ、枕カバー、タオル……そのようなものを借りるだけで出費がかさむ。
その上、アメリカからドイツへ郵送されてきた招待状とビザの書類関係の郵送料の請求も来た。
多額の奨学金を出していただいたとはいえ、航空券は自分で購入しているのである。
その上この郵送料は、非常に高額な請求だった。
そこで私は、事務のメリーさんに、仕事を増やしてもらえないか相談しに行った。
アメリカでは、奨学金をもらう代わりに、何か仕事をもらうというパターンがある。
例えば私は、週3回のコンサートで会場を整備したり、プログラムを全員に配る仕事をしていた。
結論から言うと、新しい仕事を増やしてもらうことができたのだが、随時突然の請求には肝を冷やしたものだった。
これは単なる一例に過ぎないが、他にも困難はたくさんあった。
そしてその度に、温かい友人たちに何度も助けられ、支えられた。
困難があったからこそ友人の温かさを知れた、良い経験だったのでは、とさえ思える……
涙が出るほど悔しい思いをした日に、マシュマロ入りの可愛いチョコレートのお菓子を「元気出して」とくれた人がいた。
自分の国から自分の為に持ってきたお菓子と一緒に、温かいメッセージを添えて渡してくれた人がいた——
そして特に忘れられない思い出は、ジェレミーのカラオケと天の川である。
ある日、ジェレミーが気分転換にカラオケをしよう、と言った。
もちろん山奥にカラオケ館はなく、子供たちが寝静まった後、ジェレミーのパソコンとスピーカーを使って私の練習室「ホロヴィッツ」に集合した。
極秘開催のカラオケである。
ヴァイオリンのスージャン、ポルトガルから来た金髪美女のガビー(ガブリエラ)、ジェレミー、そして私の4人である。
寮ではさすがにカラオケはできなかった。
隣の隣の隣の隣くらいの人のイビキまでよく聞き取れるほどの壁の薄さだったからだ。
今にもクマが出そうなほどの真っ暗な森の中の練習室に4人でこもって、当日流行っていた Despacitoやアリアナ・グランデ、twiceの曲を歌った。
ポルトガルから来たガビーのダンスは、さすがのラテンのDNAを感じた。
真剣で、精一杯で疲れさえ忘れてすべてに全力だったこの時間をきっと青春と呼ぶのかもしれない。
別に日には、天の川と、流れ星の下で将来について真剣に語り合った。
あの夏の思い出の中で、一番記憶に残っていて恋しいのは、こういう時間と、天の川なのかもしれない。
ちなみにその後、主催者に「君の練習室はパーティー会場ではない」と唐突に言われた恐怖も忘れないが。
つづく